銀行引受による私募債の資金調達の注意点と対策を説明します。
私募債の引受と証書貸付の銀行の与信審査上の違い
私募債の引受も証書貸付も経済的には銀行がお金を企業に貸し付ける点では全く同じです。
ですが、銀行サイドの与信審査には大きな違いがあります。
具体的には、社債の引受は銀行独自で算定している社債の引受の土台に財務内容がのれば検討してくれます。
証書貸付の場合は財務内容よりも資金使途を問われます。
ですので、不動産業への運転資金は圧倒的に社債での資金調達が楽になります。
資金調達コストは、社債の方が高いです。
証書貸付+1.250%位でしょうか。これは社債の場合は社債発行費という別の費目が生じるためです。
保証協会付き私募債の利用上の注意点と対策
私募債にも保証協会の保証を付すことが可能です。
私募債へ保証を付す場合は、一般枠8,000万円と別枠の取り扱いとなります。
私募債と融資では、保証協会の担当する部署もかわります。
はじめて私募債に保証をつける場合は、信用保証協会の職員さんと面談があります。
私募債に保証協会の保証を付す場合の注意点は2点あります。
1つ目は、私募債の引受先の銀行以外に私募債の打診をしていないことです。
他の銀行からの私募債への保証を打診されると審査がやり直しになるからです。
2つ目は、保証協会の他の保証を利用していると私募債への保証を減額されるおそれがあります。
これは私募債以外の手形貸付や証書貸付の利用も含まれます。